近年のGoogleの検索アルゴリズムにおける方向性からすると、近い将来くるの間違いないと思っていたオリジナルコンテンツという視点からの「まとめ系サイト」に対する評価基準の変更。
2月7日にGoogleの「ウェブマスター向け公式ブログ」にて、日本語検索におけるウェブサイトの評価方法について改善を行なったとの発表がありました。
これまで日本語検索におけるアルゴリズムで、このような形での発表はあまり目立たなかったように思います。(あくまで個人の感想です)
そこには、昨年、記者会見を開くまでの騒動となった、DeNAが運営する『WELQ(ウェルク)』などのまとめコンテンツ(キュレーションサイト)が抱える問題に関して、ついに一つの回答をユーザーやサイト運営者にGoogleが出した格好と言えます。
今回の日本語検索の品質向上のための改善が、一概に「まとめ系」に対してのものではないと推測されますが、大きなキッカケであったことは間違いないものと思われます。
まとめ系サイトの問題と一定のニーズがあるという現実のジレンマ
そもそもまとめ系サイトの何が問題なのかおさらいするならば、これらのキュレーションサイトとは、一言で言えば世に出ている何かしらの情報をまとめて掲載しているサイトという事になります。
即ち、オリジナルの記事コンテンツなどを作るのではなく、ジャンルごとなどに分けて、すでに世に出ているコンテンツをまとめて紹介するという手法になります。
おそらく日本で最も有名なのは「NAVERまとめ」になるのではないでしょうか。
普段、検索を行なっていて、その検索結果の上位に「NAVERまとめ」を見掛けた事は誰しもあると思います。
これらのキュレーションサイトは、コンテンツ量と言う意味では、確かに膨大な情報がまとめられており、それらが日々更新されていく事になりますので、検索エンジンでの評価も高い傾向がありましたが、あくまで他のサイトなどからの転載の集合体と呼べるものになります。
それは「引用」というレベルを超えているように思えるものだったため、批判的な声が少なくなかったのも確かです。
その反面、情報がまとめてチェックできるというメリットがキュレーションサイトには存在するため、必要としている人も多かった事から、検索アルゴリズムもそれ相応に評価をしていたのでしょう。
私自身、時と場合によっては「NAVERまとめ」を閲覧した事がありますので・・・。
Googleが常々検索エンジンとして、ウェブサイトなどに求める「オリジナリティ」や「信頼性」といったものとは対極にあるとしても、検索者にとって便利な側面もある以上、判断が難しいところなのでしょう。
ちなみに、「NAVERまとめ」を運営する『LINE株式会社』は、昨年12月に新方針を発表し、まとめページ内で引用されるウェブサイトの権利者に対して利益を還元する仕組みなどを用意し、一次コンテンツに敬意を払う方向へとさらなる改善をしていくことを名言しています。
信頼できるコンテンツを提供するために品質改善するGoogle
良し悪しといったところがあるキュレーションサイトですが、今回、ウェブマスター向け公式ブログでGoogleが表明しているように、オリジナルで有用なコンテンツという基準からいけば、今回の日本語検索におけるアルゴリズムの改善は必然となります。
そもそも、検索エンジンがどれだけ正確に日本語を理解しているのかという問題が実はあったりしますが(汗)
そこも日々品質改善が行なわれていると見られますので、今回のような日本向けアップデートが実行されたのだと思っておいてよいのではないでしょうか。
ちなみに、検索キーワードによっては、まだまだキュレーションサイトが普通に上位表示している検索結果はたくさんあります。
このあたりは、品質評価のアルゴリズムがまだ改善途中であることと、今回のアップデートが必ずしも「まとめ系」だけを対象としている訳ではないこともあると思われます。
なぜなら、日本語検索の品質向上という意味で考えると、対象となるのは「まとめ系サイト」だけでなく、コンテンツそのものの内容が薄いサイトなども関係してくるはずです。
それは、企業(ホームページ)も個人(ブログ)も対象であるということになります。
何はともあれ、Googleの検索エンジンが目指すのは、「検索者の欲しい情報をより的確に検索結果へと反映させること」そこにあります。
そのため、まだまだ終わりのない検索エンジンの品質改善に取り組むGoogleと、検索結果のできるだけ良い場所に掲載されたいサイト運営者側との場所取り合戦が続くことになります。
※検索アルゴリズムに関しては、色々と思うところはありますが、長くなりますので今回はここまでにします・・・。