ホームページを運営されている企業やお店においては、アクセス数に目がいき、検索回数の多いキーワードで上位表示を目指す事を優先されるケースは少なくないように思います。
「今日は何人見に来てくれただろう?」「今月はどれくらいアクセスがあったかな?」と、訪問者の数にどうしても目がいってしまう気持ちも理解できます。少ないより多い方が良いとは思いますし、沢山の人が訪れてくれればモチベーションも上がります。
しかし、アクセスが多くても訪れた検索ユーザーが、こちらが望むアクションを起こしてくれなければ本当の意味では喜べないのも事実です。
基本的に企業やお店あれば、その存在をアピールし、問い合わせや来店など、成約(売上)に繋がることがホームページ運営上の重要な目的になります。
そのためにも、自社(自店)の見込み客となり得る方にホームページを見つけてもらいたいところです。
検索キーワードから見込み客を考察してみる
それでは実際のところ、どのような検索キーワードを打ち込んでいる人がその商品やサービスを必要とする<見込み客>なのかということになります。
業種や商品やサービスの強み(ウリ)によって当然変ってきますが、例えば、「地域名+サービス名」といったところは最もスタンダードな見込み客候補のキーワードと言えます。
例えば、「鳥取県 温泉」というキーワードで上位に表示されれば、鳥取県の温泉旅館では問い合わせや予約が期待できます。ただ、この段階のキーワードでは検索結果の上位の多くは、いわゆる「ポータルサイト」的なものが並ぶ事が多くなります。
その理由として、検索エンジンとしては「鳥取県 温泉」と検索している人が知りたい情報は、「鳥取県にはどんな温泉がどこにあるのか?」というように推測します。
そのため、特定の温泉ではなく、「こういう温泉が鳥取県内にはありますよ」という情報を提示するために、多数の温泉が紹介されているようなポータルサイトを上位に表示する傾向があるようです。(あくまで現時点でのお話です)
このような場合は、そこに掲載されている事が大前提であり、さらにその温泉一覧の中から絞り込んで見つけてもらう必要がありますので、なんとももどかしいところではあります。
正直、調べる方も面倒だったりするものです・・・。
しかし、これが「鳥取県 温泉 皆生」となった場合は、地域がより絞られた格好になりますので、皆生温泉の情報が優先的に検索結果に表示されます。もちろん、この場合も地域検索という事には変わりありませんので、やはり上位にはポータルサイト系が出てきます。
ちなみに、「鳥取県 温泉 皆生」であれば、上位には「楽天トラベル」や「じゃらんといったものと併せて「皆生温泉旅館組合」の公式サイトも登場します。
ただ、地域を「皆生」まで絞り込んだ事により、特定の温泉旅館なども上位に並ぶ可能性は高くなりますので、見つけてもらいやすくなります。
このような「鳥取県 温泉 皆生」の場合、検索回数自体は「鳥取県 温泉」より少なくなる可能性は高くなります。なぜなら、検索回数は検索の意図が明確になればなるほど少なくなる傾向にあるからです。
明確な目的がない場合は、検索の際にざっくりとキーワードを入力してその検索結果で目に留まったサイトなどを閲覧しながら情報を絞り込むケースが多くあります。
いわゆるメインキーワードのみの検索です。
「リフォーム」「レンタカー」といった、一語での検索は、それなりの数の人が行なっているため、必然的に検索回数もかなり多くなります。
このような場合は、かなりアバウトな気持ちが見えると思いますが、そこから徐々に目的を絞るケースも少なくありません。例えば以下のような流れです。
(例)「ダイエット」⇒「ダイエット 食事」⇒「ダイエット 食事 制限なし」⇒「ダイエット 食事制限なし 痩せる方法」
極端な例えかもしれませんが、こんな風に目的を絞り込む事はよくあるのではないでしょうか。実際、「ダイエット」というキーワードはそれなりに検索回数が多いキーワードです。
そこで上位表示できれば、単純にアクセス自体は相当な数になりますが、「ダイエット」単体では検索意図が曖昧なため、アクションを起こしてもらおうと思うと、相当響くコンテンンツが必要になりますし疲れます。
反対に、検索ユーザーの目的が明確であれば、どうでしょう。
今度はダイエットから離れて・・・例えば、「米子市 ビジネスホテル 格安」といったところまで目的が明確に絞られた検索は、地域や検索ユーザーの目的がかなり絞られているため、その検索回数自体はどうしても少なくなります。
しかし、検索ユーザーの意図が明確となっているため、もし検索結果に「米子市のホテル◯◯◯、朝食付で一泊2,980円!」と表示されていたら、そのページにアクセスされる可能性が高い事は容易に想像できます。※あくまで例えです。
このようなキーワードで検索を行う人こそが<濃い見込客>だと言えます。
極端な例かもしれませんが、これくらい目的が明らかになっている検索の場合、そこにハマる情報があればアクションを起こしてもらいやすくなります。漠然とした検索回数の多いキーワードを狙うよりもはるかに効率的なホームページ運営につながるのではないでしょうか。
検索ユーザーの傾向を探れる「関連ワード」について
検索回数ではなく、アクセス数についても多くは期待できないとしても、検索の意図が明確で見込客になりそうな人を呼び込む事が重要であるというお話ではありますが、そうは言っても、そもそも検索されているキーワードである事が前提としてあります。
先ほどの、「米子市 ビジネスホテル 格安」は、実際にこれまで検索された事のあるキーワードになります。もし検索される見込みのないキーワードで上位表示をしたとしても、アクセスはほとんどないという結果になるはずです。※検索結果は刻々と変化するため現時点で上記ワードは関連後として表示されない可能性もあります。
そのような時に参考にする事ができるのが、「関連検索ワード」です。
関連検索ワード(Yahoo!虫眼鏡)
関連検索ワードとは、ヤフーで何かしらのキーワードを入力して検索を行なった際に、そのキーワードと組み合わせて検索される関連性の高い言葉を機械的に収集し、比較的検索回数の多いものを自動的に表示する補助機能になります。
検索窓のすぐ下のところとページ下部に表示されているアレです。何気に見られていると思いますので、ヤフーで検索される方で知らない方はいらっしゃらないと思います。
<検索結果上部>
<検索結果最下部>
関連ワードはリンクテキストになっていますので、クリックすることで、そのキーワードでの検索を返してくれます。
ヤフーサジェストキーワード
そして、もうひとつの機能が、「サジェストキーワード」になります。
こちらの場合は、Yahoo!の検索窓に調べたいキーワードを入力すると、その下に関連性の高いキーワードが予測表示されます。
サジェスト機能は、検索の際に入力を補助する機能となり、ズラッと並んでいるキーワードの右下にある「キーワード入力補助」のところでON/OFFが選べます。
この場合も、先ほどの関連検索ワード同様に実際に検索されたことがあり、一定の検索ボリュームがあるものが候補として表示されています。
サジェストの場合、最初にキーワードを打ち込んだ時点で表示されるものと、スペースを開けた場合では表示されるキーワードが変ってきます。
こういった入力補助機能がヤフーだけでなく、もちろんGoogleにもあります。というよりも、ヤフーの場合はGoogleの検索エンジンを利用しているので、基本Googleの機能という事になります。
Googleの検索アルゴリズムをベースにヤフー独自の仕様が加味されているというのが実情です。
このような関連ワードを、自社(自店)のサービスや商品と結びつくものがあるか否かチェックされてみるのも良いのではないでしょうか。
少なからず、サイト運営のご参考にはなるはずです。
虫眼鏡やサジェストキーワードの注意点について
ネットでの検索需要を知るためにとても便利なこれらの関連検索ワード表示機能ですが、注意すべき点も実はあります。
それが・・・「サジェストスパム」と言われるものです。
サジェストスパムとは、意図的に特定の関連ワードをヤフーなどで検索をした時に表示させるとってもブラックな手法です。一定の検索数があるキーワードという条件を逆手にとって、故意に検索を多く行い、関連ワードの候補として表示させる方法です。(よろしくない事なので詳細は割愛します)
そのような事が行なわれる理由としては、一部の◯◯な方などが、気を惹くような複合ワードを狙って表示させる事で、検索ユーザーをそのワードへと誘導し、その検索結果の上位に表示されているサイトにアクセスを集め収益を上げるためです。
こういった意図的な関連ワードは、候補にある他のキーワードと見比べてみると結構簡単に見分けがついたりします・・・。
例えば、ダイエットのような検索需要の高い言葉の関連検索ワードに、「ダイエット サプリメント おすすめはこれ!」みたいなものが表示されたります。(あくまで例えです)
一般的に考えて、違和感を覚える検索ワードです・・・。
しかし、こういった問題は検索エンジンもユーザビリティという観点やスパム排除という事で対策を行ないますので、今では見掛ける機会は減少しています。
1年くらい前はかなりえげつないものがありましたが、検索エンジンも常に対策を行っていますので、現在は見かける事は少ないかもしれませんが、それでも怪しげない関連ワードを目にする事は希にある感じではあります。
くれぐれもご注意ください。
検索キーワードは「質問」で検索結果は「答え」
なんだかんだで長くなりましたので、このあたりでまとめたいと思います・・・。
重要視すべき事は、キーワードの検索回数ではなく、アクセスがたくさん集まるかでもなく、意図が明確な検索に対してその答えとなるコンテンツを返してあげることになります。
言葉にすると簡単なようですが、実際は中々難しいものであったりします。しかし、こういった検証を積み重ねることが容易にできるのもネットならではだと思いますので、取り組まれて損はないはずです。
ぜひ、これらの関連ワードを見ながら「この検索をする人は何を求めているのだろう?」といった事を思案されてみてはいかがでしょうか。
この方法がベストという事ではありませんが、やらないよりやる方が色々と発見があると言えますので。